学校規則と子どもの認識
学校生活の中で「そんなことをすると先生に怒られるよ」という生徒の発言をよく耳にします。しかし、この発言の意味を深く考えてみると、先生に怒らなかったらそれをしても良いという捉え方もできます。先生に怒られるからしないと生徒が、なぜそんなことをしてはいけないのかという本来の理由を知らないということであれば、別の問題を抱えることになります。別の問題とはその生徒がこれから行おうとしている行為に関して正しく認識できていないということです。その場合、周りにいる大人達がその行為に関する意味を教えて、その生徒が正しい認識を持てるようにしないといけません。
中学生になると思春期による心の働きによってオシャレになろうとファッションに気を取られるような生徒もあらわれてきます。そして校則違反だとわかりながらも髪の毛を染めたり、変形ズボンを着用して登校してくる生徒もあらわれてくることがあります。それは校則違反だと注意する生活指導の教師の言うことに反抗して無視し続けると問題の生徒だと扱われるようになります。
ここで深く考えてみると、髪の毛を染めたり、変形ズボンを着用することが校則違反であるという根本的な理由とは何かという疑問が浮かび上がってきます。おそらく、この疑問に対して個人的な価値観で答える人が多く、誰もが納得できる適切な回答をする人はほとんどいないでしょう。よく「みんなが決めたことだから」などという回答をする人がいますが、みんなとは何時、誰が、何の目的によってそのような校則を決めたのかと問いただすと適切に答えられない人が多いのではないでしょうか。その他に「非行防止」という回答をする人もいますが、生徒からすれば意味のわからない回答になっていることが多いのです。なぜなら校則違反をすることで非行に走りやすくなるとは言いづらく、そういった理論も存在しないからです。逆にあまりにも校則を厳しくしてしまうと、その反抗心から非行に走ってしまう生徒がいると言われています。
客観的に見れば、校則違反をして反発する生徒のほうが問題のようにも思えるが、ただ生活指導の先生に怒られたという理由で校則を守ろうと試みる生徒も問題であると考えられます。根本的な理由もわからずに、生活指導の先生に怒られるからという理由で従おうとする生徒は自発的ではなく誘導的な行動を起こしているだけで、正しい認識を持っているとは言えません。
このように「してはいけない行動」について、教師や周りの大人達が、子ども・生徒にその根本的な理由を説明して正しい認識を持たせることが重要なことであり、永遠の課題だと考えています。
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