生徒の疑問「髪の毛」

高校野球を見ていると丸刈りである生徒が多いのですが、まさに高校球児のトレードマークになっていました。ところが日本学生野球憲章でも「頭髪に関する規定は一切ない」とされています。高校球児が丸刈りなのは「伝統だから」、「野球に専念してスポーツマンシップに則る」といったことが言われていますが、本当の理由は第一次世界大戦中に行われた第1回全国高等学校選手権大会で坊主頭の学生が出場して、それが伝統になってしまったようです。しかし、近年は「坊主が高校球児らしさ」という印象が変わってきており、そういった固定概念を覆す高校がふえてきて坊主廃止の流れが起きているようです。そして髪型と野球の実力は関係ないということが明らかになっており、時代の流れとともに変わってきているのです。

同じように中学生や高校生になると髪の毛を染める生徒も増えてきます。私も中学二年生の頃に髪を染めて担任の先生に酷く怒られた経験があります。私は担任の先生に怒られた後に「どうして髪の毛を染めてはいけないのか?」という疑問を抱いていました。この疑問に対してその担任の先生と論破するつもりはありませんでした。なぜなら、その担任の先生のことはあまり好きではなく話したくなかったからです。しかし、今になって考えてもこの疑問の答えは見つかっていません。私は仕事上、教師をしている知り合いがいるのですが、一度、意見を聞いてみると「校則違反だから」、「中学生らしくないから」といった回答しか得られませんでした。この回答によって私の中で疑問が増えてしまったのです。まず、髪の毛を染めることが校則違反というのは誰が何の目的で決めたのかということです。法律でも同じですが、決まり事を作るには、それなりの理由があるはずです。髪の毛を染めてきた生徒を校則違反だと叱る前に、その理由を説明する必要があると思います。そして、おそらくその理由は「中学生らしくないから」ということに結びつくのかもしれません。そこで中学生らしくないという意味そのものを考えてみると、これもかなり漠然としています。中学生らしいというというのは、どういう姿でどういう状態なのでしょうか。おそらく、あらゆる教師に「中学生らしいとはどういう人のことでしょうか?」と質問すると、人によってさまざまな回答をするでしょう。そこで「髪の毛を染めると中学生らしくないのはなぜか?」という質問を付け加えると、「不良ぽくみえる」、「オシャレに気を取られていると勉強に影響する」などといった、これまたまともな回答を得ることはできないでしょう。

中学生が髪の毛を染めることに「どうして髪の毛を染めてはいけないのか?」という議論を持ちかけられると、教師があらゆることを言っても生徒を納得させることもできなければ、無理強いして「黒髪に染めてきなさい」と命令したとしても、生徒が「嫌だ」と拒否すれば、それを強制させることもできないのではないでしょうか。そこで教師がその生徒をひっぱたいたり「黒髪にするまで学校にきてはいけません」などと言ってしまうと不登校になる可能性すらあります。
ちなみに、この話に関して教師と話をしたことがありますが、最終的に教師は私に論破されて何も答えられなくなりました。だからといって私は生徒のみなさんに校則違反をしてみんな髪の毛を自由に染めればいいと言っているわけではありませんので誤解しないようにしてください。

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