行動療法における不登校の解決法
行動療法とは相談者の心の中にある原因を探るのではなく、目に見える行動を変化させることを目的とした心理療法です。たとえば学校に行くのが嫌だというお子さんに対して「学校に行きたくなるまで待っていよう」というのは、学校に行くのが嫌な状態をそのままにしておくという方法で、行動療法では学校に行くことに対する不安やストレスなどの要因を段階的に追及していき、最終的には「嫌であることを克服する」ことにより問題を解決させてます。
■ 学習理論
行動療法において、人は習慣や行動は、適切もしくは不適切とされるものを学習によって身についていると考えられています。たとえばレモンを食べたことのある人がレモンと聞いただけで唾液が分泌することがあります。これはレモンを食べてすっぱいとという経験をして学習した結果による反応といえます。このような条件反射を意図的に操作することを条件づけといいます。
その条件づけの一つにレスポンデント条件づけというものがあり、パブロフの犬という有名な話があります。パブロフの犬とは、パブロフが犬に餌を与える前に必ずベルを鳴らすようにしていくようにした結果、最終的にはベルを鳴らすだけで犬が唾液を分泌するように条件づけできることを実験により証明しました。その他、条件づけにはオペラント条件づけやモデリングといった学習理論があります。
例えば、クラス替えをしたことによって担任教師が変わってしまい、その担任教師のやり方がとても気に入らず、一緒にいるとストレスを感じてしまうようになったお子さんが不登校になり「学校に行くのが嫌だ」と訴えた場合、その担任教師に会うことが嫌だということが本来の原因でありながら、学校に行くことはその担任教師と顔を合わせることになるので嫌な気分になるということから、学校に行くことは嫌な気分になるということを学習してしまったことで不登校になってしまったと捉えることができます。
行動療法では、学校に行くことは嫌な気分になると学習してしまったお子さんに、嫌な気分になるという刺激に対して学校に行くということに対してリラックスさせていきながら嫌な気分になるという症状を消失させていく訓練を行い、学校に行くことに関して再学習させることによって登校復帰させるという方法を行います。
しかし、不登校問題にはさまざまな要因が複雑に絡み合っていることがあるため、この例のような行動療法による再学習をすることによって簡単に登校復帰できることは少ないとも言えます。
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