SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)とは

SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)とは「社会の中で暮らしていくための能力」を高めていく訓練のことで、コミュニケーションスキル(対人関係構築能力)を高める訓練と生活スキル(家事をしたりお金の管理をすること)を高める訓練があります。当サービスのSSTではコミュニケーションスキル(対人関係構築能力)を高める訓練方法をご両親にお伝えして、お子さんと一緒に実践していくことをお勧めしています。
コミュニケーションスキルは、日常生活の中で他者とのコミュニケーションを繰り返しながら自然と身に付いていくものですが、発達障害を持つお子さんの場合だと習得できていないことがあります。例えばASD(自閉スペクトラム症)のお子さんだと、周囲の空気を読めず友だちの冗談を本気と捉えて喧嘩になってしまうことがあります。ADHD(注意欠如多動症)のお子さんだと、友だちが話をしている途中に割り込んで話を遮ったりしてしまうことで交友関係が築きにくくなってしまっていることがあります。これらはコミュニケーションスキルが身に付いていないことが原因で発生する交友関係のトラブルとも言え、それがきっかけで不登校や引きこもりになってしまうケースがあります。このようなトラブルを回避するために行う療法がSSTなのです。
SSTには沢山のトレーニング法がありますが、当サービスではコミュニケーションの基本となる会話術お子さんの特性に合わせたトレーニング法の二つをお勧めしています。トレーニングはお子さんがゲーム感覚楽しめるものになっており、週に2回程度で1回につき5分程度実施します。もちろん発達障害のお子さんに限らず、コミュニケーションが苦手で不登校になっているお子さんに対してもSSTの実践をお勧めすることがあります。

会話術

みなさんはどのくらい人の話を聴けていますか?
たいていの人間は自分の話をすることが好きなのですが、逆に人の話を聴くのは苦手という方が多くいます。どうしても話を聴いている間に自分の意見が先走ってしまって途中で口を挟んで話の腰を折ってしまったり、話し手に対する思いやりから途中で不適切なアドバイスをしてしまうなど、人の話を聴くというのは簡単なようで非常に難しいことなのです。
会話術トレーニングは人の話を聴く力からコミュニケーションスキルを身に付けていきます。それにより交友関係が築きやすくなります。この会話術トレーニングは「これで身に付いた」という終わりはなく、「ここまで身に付いた」という感じで一生涯の続くものだといえます。もちろん、お子さんだけでなくトレーニング指導者となるご両親も一緒になって身に付けていかなければならないということを心掛けておくことが重要です。
会話術はSSTに限らず、心理カウンセリングの技術、営業テクニック、異性にモテるための恋愛テクニック(聞き上手はモテる)など幅広い分野で重要とされています。

お子さんの特性に合わせたトレーニング法

例えばASD(自閉スペクトラム症)を持つお子さんで、相手の表情や仕草から感情を汲み取ることが苦手だという場合、人の写真や絵などから感情を汲み取るトレーニングが適しているかもしれません。周りの空気を読むのが苦手なお子さんの場合は声量調整トレーニングが適しているかもしれません。ADHD(注意欠如多動症)を持つお子さんで、場違いな行動を起こしてしまうことがある場合は、様々なシチュエーションをイメージしてどのように発言・対応するべきかのトレーニングが適しているかもしれません。LD(学習障害)を持つお子さんで、自己表現が苦手という場合だと、自己紹介(好きな食べ物や趣味などの紹介)をするトレーニングが適しているかもしれません。このようにお子さんの特性に合わせたトレーニングを実施することで、苦手を克服していくことでよりよい社会生活を送れるようになります。